当店の値上げについて

東部飲料は4月からのメーカー値上げに伴う、
当店販売価格の改定を行ないません。

つまり、
値上げをしません。

おはようございます。白井です。
昨年6月より”宅配料”を頂き始め、お客様には
大なり小なりのご負担をお願いしました。

10月の消費増税を控え、私どもの努力で
今回の値上げは乗り越えたいと思います。

日々応援くださるお客様に応えたいという思い
からのやせ我慢でもありますので、是非とも
安心してガブガブ飲んで頂きたく思います。

今回の乳価改定に伴うメーカーの値上げは、
今までとは違い、一部では一定の理解を頂いて
いる様に見えます。

所得を上げるためには社会がインフレに振れて
いる必要があります。どちらが先かと言う問題
は置いていても、報道ベースで言えば、
「値上げは悪そのもの」ですが、SNSの発達に
より生産者さんの発信が巷に溢れる様になり、
物の見方が一方向から相互、多角的になった事も
「値上げ=悪」が薄まる要因になったのでは
ないかと思います。

当店が宅配料の設定に踏み切った様に、
当業界では、運送業者さんも、生産者さんも
他の牛乳屋さんも「値上げしたい」と常に
思っているはずです。

メーカーを悪者にするつもりはありませんが、
利益追求ばかりしてどうするんだ?
という思いもあるので上記では仲間外れに
しました。

乳価改定の交渉がメーカー及び関係団体の間で
行われ、1リットルあたり4円の”生乳
(飲用乳価)”の値上げが決まりました。

お客様がスーパーなどで買う段階では、
牛乳1リットル当りおおよそ10円上がります。

便乗値上げといえば、間違いはありません。
原価がおおよそ4円、卸価格でおおよそ4円、
販売店が2円ぐらいが内訳でしょうか。

個人的には10円でも20円でも上がればいいと
常日頃考えています。同時にお客様が離れて
しまう事への不安は消えることはありません。

あまり販売者がこう言う過激な事を言ってしまう
のは問題かもしれませんが、1リットル10円
上がって困るほど牛乳を飲んでいるの?と
報道の中でインタビューに応える人には言いたく
なります。

さる有名な社長さんが、
1万円の服の原価は2、3000円くらいだ。
と呟いておられました。
皆さん色々な考えがあるでしょうが、
僕はつくる人へのリスペクトを欠いた発言だった
と感じました。

私たち牛乳屋は、代理店です。
はっきり言えば中抜き業者です。
生産することも加工することもできません。
ただ売るだけです。

だからこそ、エンドユーザーであるお客様に
一番近い存在として、商品の価値を正しく
届ける義務があると強く思う様になりました。

農産物、魚介類、畜産物でいえば、
生産者自らがお客様と直接繋がると言う事が
多く見られる様になってきました。
とても喜ばしいことです。
いつか牛乳屋が今までの形を変えて、
お届けするだけの存在になる事があるとしても、
僕はそれを喜んで受け入れます。

しかし、牛乳という食品は
「冷蔵、重量物、安価」な為、効率よく食卓に
届けるには、今の形が望ましいとは思います。
(欲を言えば、地域におけるお客様の母数が
もう少し欲しいところです)

輸送コストを下げるためにも、販売店も程よく
分散しつつ、しっかりと数を持つ事は、自身の
利益に結果的には繋がります。
独り勝ちはいつか首を絞めるかもって事ですね。

今でもスーパーなどで、牛乳や乳飲料
(さも牛乳の様に)が特売の目玉商品になって
いるのを見るとやはり簡単には風向きは変わり
そうにはありません。

ネットには、牛乳害悪論、ヴィーガンによる
生産者への直接攻撃、国の酪農・乳業界への
過剰保護など、目を覆いたくなる事が
あふれています。

残念な事に、
僕は海外の酪農の現場を全く知りません。
医学や栄養学にも疎いです。
国の施策も全て理解しているとは言いがたい
状況です。正しく伝える知識もなければ、
文を書く力もありません。

勉強の日々です。
生産者、メーカー、販売店、お客様の4者の
利益がバランスよく保たれていないと、
いつまでも、国産の牛乳を美味しく飲める
とは限りません。
販売店として、出来る限りをするのみです。

今回値上げを見送るのは、生産者さんに対して
失礼じゃないか?業界で正そうとしているのに、
ひとり逆を行く事で、もて囃してもらおうなんて
思ってるんじゃないか?

そんな風に思いもしました。
もちろん、もて囃してもらいたいです!
値上げを喜んで、でも値上げしないんだから!

時には、お客様のためにならない選択も
迫られます。”お客様”と”生産者”あってこその
商売です。たまたま今回は上げるタイミング
じゃなかっただけです。

次は値上げのお願いをするかも知れません。
心良くOKなんて言って頂けると幸いです。
長文失礼しました。

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