第3回ヒロラクゴ バタバタ主催者編

さて、設営の反省はいいから内容はやく!

という方もいらっしゃるでしょう。

実は私、高座設営直後に一気に体調不良となり、不慣れな妻に全てを任せて一時帰宅しておりました。

同時に、この時すでに最後の最後に発生する重大なアクシデントの準備だけはきっちり整っていました。

実は師匠との打ち合わせが全く出来ておらず、時間の確認を怠っていました。

感のいい方ならば、これからどんな事が起こるか、容易に想像できるでしょう。

という事で、ヒロラクゴを楽しめなかった私に変わり、今回間違いなく一番満喫して頂いた方に感想を書いて頂きました。

 以下全文

全く、これだから油断ならない。

地方に行くと必ず一度はつぶやいてしまう。

今回もそうだった。

広島県で定期的に開催している「ひろらくご」。

広島県だから「ひろ」という意味ではない。

広島県呉市にある広という地域でやってるから「ひろらくご」なのだ。

もう、この由来が紛らわしい。

紛らわしさは、タイトルだけにとどまらないのだ。

初回からトラブル続きで、今年開催が3回目。

3回やったなら慣れるだろう。

というこちらの淡い期待を、見事打ち砕くのが「ひろらくご」であり、主催の東部飲料株式会社の白井だ!(呼び捨てで問題ない、以降S氏)

万が一に備えて、可能な限り早く会場に入る。

S氏は何をやらかすかわかったもんじゃないからだ。

ここまでの付き合いで学習した。

開演2時間前に無事会場到着。

本番まで何かトラブルがあってもフォローするだけの時間的余裕はある。

私はできる限りの事をやった。

私の目の前に現れたS氏は、マスクをしてフラフラになっている。

良くない想像をしてしまう自分を抑えて、どうしたのか聞かなくてはいけない。

まずは現状の確認が大切なのだ。

「ノロウイルスにかかったかも知れないのです」

バカだ。

こいつはもうバカでしかない。

結果を聞く前にいくつか選択肢は浮かんでいるのだが、「ノロウイルス」はノーマークだった。

インフルエンザの疑いの方がまだマシだ。

感染るといけないからマスクをしているという。

これから人が集まる場所にウイルスを撒き散らしてどうするのだ!

飛沫感染の恐れがある凶悪なウイルスなのだ。

会場の設置を手伝おうとしても、「感染るといけない」という理由で私を遠ざける。

ちょっとしたやり取りも壁越しに話さなくてはいけない。

楽屋で食べてくださいと軽食を持ってきた。

袋の持ち方がそもそもおかしい。

親指と人差し指で汚いモノを持ち上げるように「差し入れです」と手渡して来たのだ。

本人としては、極力接触面を減らして感染の可能性を下げたいのだろうが、大幅に間違っている。

誰が見ても汚物の処理を任されたとしか思えない仕草だからだ。

会が始まる前にS氏は居なくなった。

「子供が熱を出したので帰ります」

もう、子供にもノロウイルスが感染ったのか!

しかし、ここで怒るのは間違いだ。

S氏がいない方がうまく行くのだ。

落語会が始まったら主催者は何もする事がない。

S氏がいない=トラブルが減る

落語会としては成功の確率が上がるのだ。

演者の私にもお客さんにも最適解と言えるだろう。

そして、無事に落語会は終了する。

終了するのだが無事ではなかった。

いつの間にか戻って来たS氏は、落語会終了を告げる私のお辞儀と同時に叫んだ。

「21時には完全撤収してください」

時は、21時15分だ。

何故それを開演前に教えてくれないのだ!

着替えているヒマはない。

私は受付に使った備品やら、販売グッズと共に外に放り出される。

着替えている余裕はないのだ。

何故なら過ぎているから!

真打ちになって、地方で落語会を数多くやってきたが、待遇の差はいくらでもある。

どこでも同じという訳にはいかない。

しかし、放り出されたのは初めてだ。

もう、笑うしかないだろう。

ノロウイルスや細かいトラブルも全て吹っ飛んだ。

これがS氏だ。

そんな彼と、今後も落語会は続けていくつもりだ。

どんなにミスが多くても、憎めない人というのは存在する。

人間的な魅力というと本人が調子に乗るから言わないが、何かあるのだ。

スムーズな運営が最終的な目的ではない。

楽しい落語会が目的なのだ。

他では経験できないドラマが産まれる。

欠けてる部分は誰かが補えばいいのだ。

実際、ここまで落語会は出来ているのだから。

お互いに助け合って目標をクリアーする。

これでいいじゃないか。

完成してるモノを楽しむのではなく、一緒に作り上げる事を楽しむのだ!

S氏には、人をその気にさせる才能があるのかも知れない。

体調不良という今回のトラブル。

牛乳屋さんという顔を持つS氏には、今後、健康だけにはくれぐれも気をつけてもらいたい。

落語会の翌日、連絡があった。

「ノロウイルスじゃなかったです。なんだか緊張して熱が出ただけでした」

この人はバカだ。

会終了後のこしら師匠のtwitterには

さすが、こしら師匠!何とも落語家らしい受けの上手い文章です。

もちろんお客様、師匠にも迷惑をかけてしまったのは事実ですが、実のところあまり気にはしていません。(反省はちゃんとしています)

師匠のサインや写真撮影や物販時間が最後削られたのは、本当に申し訳なかったです!

 心残りも・・・。

今回も師匠の落語が聞けなかった事。(出囃子とかその他で意外とじっくり聞けない事が多いです)

もう一つは、集まってくださったお客様ひとりひとりにご挨拶が出来なかった事です。

特別に時間作ってくれた友人もいれば、誘いに快く来てくださった先輩経営者の方も。

SNSを通してご来場して下さった方々は、これから親交を深めたい方ばかり。

 手応え。

今回は、過去2回以上に、“少し遠くに届いた”そんな会でした。

出来るならば年内にもう一度、今度は皆んなで打ち上げも企画して・・・なんて考えています。

この東部飲料が目指す「毎日の楽しい生活を届ける」のように、ヒロラクゴも“人生をもう少し楽しむ為のキッカケ”、そんな存在になればと願い、頑張りたいと思います。

この度は、第3回ヒロラクゴ、本当にありがとうございました。

にしても、たくさん集まっていただけたのに、集合写真も撮れず・・・。

また次回だ!!

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